期末の利益コントロールについて

3月末が近づいてきました。 日本では3月末決算の会社が多いので、今月は様々な企業が売上や費用の計上方法、タイミングについて思案を巡らせていることと思います。 当たり前ですが、会計・税務的にOKな範囲内で。 綺麗ごとに聞こえるかもしれませんが、こう…

HRのビジネスパートナーとFP&Aは似ている

私にはこれまでご一緒した中で、何人か尊敬するべき人事の方がいます。 みな、HRBP(Human Resource Business Parter)という仕事を主にされていました。 事業のリーダーをHRBPとFP&Aが一緒になって支え、ビジョンやミッションの実現を支える、そういった仕…

面白いFP&AとつまらないFP&Aの違い

FP&Aの仕事は果たして面白いのでしょうか。面白くないのでしょうか。 これは、「どちらにもなりえます」が答えですが、その分かれ目となるのは2つの軸があります。 一つ目の軸: 自分でコントロールできる領域(どういう姿勢で仕事をするか) 数字を集計して…

経理財務による承認・稟議・チェックの意味

経理財務の機能として「内部統制」があることを以前書きました。 内部統制とは経営におけるリスク管理機能で、その一端を担うわけです。 なぜ、ファイナンスがその一端を担うのか基本的な考え方をまとめています。 法的要請 最低限の要求事項として、会社法…

管理会計部門(含むFP&A)と経理はどう協同できるのか

管理会計(含むFP&A)と経理はどう協同できるのでしょうか。もしくは、どう協業するべきでしょうか。 過去の経験から、ファイナンス部門の中に、FP&Aと経理、それぞれの部署が置かれている場合に往々にして各部署で起きる課題は: ・FP&A側の財務諸表の理解…

「内部統制」の機能がどのように経営に寄与するか

内部統制は「SOXなどのコンプライアンス対応が仕事です」と捉えると、その本質を間違える機能である。US-SOXやJ-SOX、内部監査などのフレームワークとして知られるCOSOモデルルを理解するとわかるのだが、内部統制とは経営におけるリスク管理機能である。 CO…

「財務」の機能がどのように経営に寄与するか

財務には様々な機能がある。経理財務は「金庫番」や「財布」という言われ方をすることがあるが、財務は正にリアルに「金庫番」を担う機能である。 具体的には現金や有価証券などの現金等価物の管理。キャッシュの動きの監視とキャッシュフロー予測、キャッシ…

「税務」の機能がどのように経営に寄与するか

税務の機能を「単に決められたルールに従って税務申告を行う業務」と狭義に定義するならば、外部の専門化や将来AIに任せれば良い、という話しになる。しかしながら税務は特にグローバル企業になると各国でルールが異なる、且つ税法が改正されるという複雑性…

「IR」の機能がどのように経営に寄与するか

社内外、全てのステークホルダーへのコミュニケーションになる。IRは直訳すれば投資家対応になる。しかしながらIRから発信される情報は株主や機関投資家、競合にとどまらず、社員にも届く情報となる点に十分留意が必要である。非上場会社の場合には、ファン…

「制度会計」の機能がどのように経営に寄与するか

ルーチン業務、将来AIやRPAに置き換わる業務、などそのValueを理解していない人間からすると軽視されがちな機能であるが、全くもって正しくない見方である。 制度会計はベーシックかつ地味な側面はあるが、経理財務機能の根幹を成す、最も重要かつタフな業務…

「管理会計」の機能がどのように経営に寄与するか

次に、個別の機能について深堀りしていきたい。 まず、「管理会計」の機能は如何に経営に寄与できるのか管理会計は、企業目標を達成するための一連の活動が、正しく遂行されていることを数値で確認する手段であり、経営のPDCAを実践する機能を有している。PD…

経理財務の各機能は「経営」に如何に寄与できるか

一言で経理財務と言ってもその機能は様々である。各機能が具体的に「経営」を形にしてくことにどのように寄与できるのか考えたい。経理財務が一般的に有する機能をここでは以下に区分する。 ・管理会計・・・企業目標を達成するための一連の活動が、正しく遂…

「経営」を形にしていくのが経理財務の役割

先に経営を支援するのが経理財務の役割であると述べたが、その役割をより丁寧に論じるにはまず、「経営」とは何であるかを定義する必要がある。 世の中には様々な定義があるが、ここでは「経営」とは「目標を明確にし、組織を率いてその目標を実現する」こと…

経理財務部長の仕事

経理財務部門の部長の仕事は、二つの視点で取り組む必要がある。一つは経営者やCFOの腹心としてのマネジメント視点、もう一点が三現主義(現場・現物・現実)に基づいた現場指揮官としての視点だ。 経営方針をしっかりと理解して推し進める責任があるし、そ…

じゃあ外資系企業において経理財務部は戦略意思決定にかかわれてるの???

自分が大手外資系の日本法人でファイナンス・コントローラーを10年近く担っていた経験からすると、経理財務の所属でありながらコントローラーは戦略意思決定に相当に足を踏み入れるポジションであった。私の働いていた企業において築かれてきたカルチャーが…

海外の経理財務部は戦略策定や投資の意思決定をリードできている?

それでは、海外においては経理財務部は、より戦略の実行に貢献できているのだろうか。 KPMGのGlobal CFO Surveryの結果によれば、世界のCEOの30%、また日本のCEOの25%が「自社が直面している経営課題をCFOは十分に理解していない、CFOからの支援は十分でな…

この10年、経理財務部門の最重要課題は不変?

私がCFOを目指して研鑽を積もうと考えた約10年前と比べて、日本企業における経理財務部門の重要課題は変わっていないように思う。 2010年のCFO協会による財務マネジメントサーベイを見ると「会計基準変更にしっかり対対」「IRでちゃんとビジネスを語れる」「…

日本企業において、最強の経理財務部門を創るために

ここに一つのチャートがある。 [出元:OECD] 紫の線が我が国、日本の国際的な市場における評価。G7との比較だが、1990年代から見て日本だけ成長していない。 日本企業は投資家から見て、投資先として全く魅力に欠けていたのだ。これって、国際的な競争で日本…