この10年、経理財務部門の最重要課題は不変?
私がCFOを目指して研鑽を積もうと考えた約10年前と比べて、日本企業における経理財務部門の重要課題は変わっていないように思う。
2010年のCFO協会による財務マネジメントサーベイを見ると「会計基準変更にしっかり対対」「IRでちゃんとビジネスを語れる」「戦略策定をリードする」「業務標準化」等が重要課題として捉えられていた。
但し、「会計基準変更にしっかり対応」については、2010年3月にIFRSの任意適用が始まったことから、当時は特にホットなトピックになっていたことは考慮すべき。
http://www.cfo.jp/org/member/login/pdf/files/document_20110120.pdf
次に2017年度に実施されたデロイトによる同サーベイでは、CFOの重要課題として、「投資マネジメントの徹底」が突出していた。
「CFOサーベイ 2017」経営環境及び課題認識等の調査結果発表|コーポレート:ニュースリリース|デロイト トーマツ グループ|Deloitte
両者は質問の切り口が異なるが、「投資マネジメントの徹底」といった場合、経営トップや事業のリーダーが投資を判断するうえで、必要なリターンの検証がされているか、また投資の優先順位をつけることが出来ているのか、財務が十分に関与して「徹底」した分析や論理構成が出来ているのか?が課題として認識されていると考えられる。
考えられるのは、ほかのもろもろの調査結果や、セミナーで取り上げられるテーマ、参加しているコミュニティで話題にあがることなどを総合してみるとそうだから。
そうすると、日本企業のCFO/経理財務部においては、「戦略策定や投資の意思決定をリードする」ことがまだまだできておらず、10年前と比較しても同じ課題を抱えたままのではないかと思う。
この課題をクリアしていくためには、当然テクニカルなものだけではだめで、人間力や経営トップの経理財務に対する信頼がないと行けない。