じゃあ外資系企業において経理財務部は戦略意思決定にかかわれてるの???

自分が大手外資系の日本法人でファイナンス・コントローラーを10年近く担っていた経験からすると、経理財務の所属でありながらコントローラーは戦略意思決定に相当に足を踏み入れるポジションであった。私の働いていた企業において築かれてきたカルチャーがそうであったのかもしれないが。。

具体的には、予算策定においてはスケジュールの策定から始まって、議論のファシリテート、市場分析、マーケティング及び営業からあがってくる戦略のレビュー、修正。リスクシナリオの作成、等々。

予算の数字的な裏付けを自ら作成すると共に、各部の提案のダメなところはダメ出しをし、ディレクションを出すところまで担う役割であった。

組織管理の面では、採用枠と人員数の管理や賞与の算定方法の策定と決定、不正調査、コンプライアンスの社員向けトレーニング、細かな業務改善やプロジェクトマネジメント等々、管理部長的なお仕事、平たく言うと「何でも屋」でもあったので、経理財務にとらわれずに組織を良くすることなら何でも取り組めるような環境があった。

やってる本人は楽しいのだが、それがベストな形であったと言い切れない。何故なら、ファイナンスが強力なリーダーシップを発揮すればするほど、他部門のオーナーシップが欠如する環境が生まれるからだ。

どんなにロジカルに、数字をベースにファイナンスがリードしたところで、営業やマーケ、物流や人事等々、他の部門が有する専門性が活かされなければ正しい選択をしていない可能性が高まる。「餅は餅屋」なのだ。