「税務」の機能がどのように経営に寄与するか

税務の機能を「単に決められたルールに従って税務申告を行う業務」と狭義に定義するならば、外部の専門化や将来AIに任せれば良い、という話しになる。しかしながら税務は特にグローバル企業になると各国でルールが異なる、且つ税法が改正されるという複雑性をマネージしながらも、適切なタックスプランニングをすることで、余計な税金を払わない仕組みを導入する、というミッションを持っている。

また、当然ながら「会社」は公のものなので、適切な税金をしっかりと納めることも重要だ。但し、適切な納税をする・・・コンプライアンスに則って~・・・とやり始めると、どうしても視点が狭まってくるので注意が必要だ。

ビジネスモデルや業務を変えることでグレーでなくホワイトな状態で節税できるようにしたり、税務申告より前段の業務プロセスをより効率化したり、改善していける要素があっても「コンプライアンス」を盾に柔軟性を無くしてしまわないように留意したい。「ルール・法律で決まっているのでやるしかない」という考え化で仕事をしてしまっては、それこそ外注先やAIに任せれば良い、ということになってしまう。

無駄なく、但し適切に納税するというスタンスが必要で、更に言えば、「社会の資源を使ってビジネスをしているのだから、しっかり税金は納めて社会にお返しする」くらいの姿勢を持っておいて欲しい機能である。