期末の利益コントロールについて
3月末が近づいてきました。
日本では3月末決算の会社が多いので、今月は様々な企業が売上や費用の計上方法、タイミングについて思案を巡らせていることと思います。
当たり前ですが、会計・税務的にOKな範囲内で。
綺麗ごとに聞こえるかもしれませんが、こういった利益のコントロール(=業績操作)は、たとえコンプライアントな範囲内でやったとしても、とても褒められたものではないです。
なので私は自分ではやりませんし反対派です。
(組織的な圧力のもと、やらざるを得ないことも昔はありましたが・・)
この季節、こんな会話が飛び交ってることでしょう。
・棚卸日をどうするか。
・その前後の入出荷タイミングをどうするか。
・モノを廃棄するのかしないのか。
・納品を何とか早められないか。
・その経費は来年に延期できないか。
・固定資産購入の予算があまってるから早く使おう。
・納品書や請求書を早めに発行してもらおう。または発行しよう。
・会計基準変更してみるか。
・契約書の文言変えられないか。
・引当金の計算はあっているのか(増減させたい気持ちを抱えながら)。
などなどなどなど ∞
繰り返しますが、私はこれらはやるべきことではないと考えてます。
ですので、経理財務のプロフェッショナルの皆さんには推奨しません。
なぜダメなのか?
もっとも重要なことは以下の2点です。
その①「組織にごまかすカルチャーが生まれる」
本質的に収入を増やしたり、コストを削減するのではなく、「見せ方を変える」ことに頭と時間を使いますので、それはビジネスの実態ではなく「ごまかし」にすぎません。それを長年やると、感覚がマヒしてきます。
また、
上司や先輩がやっているのを若手がみると、それが「当たり前のこと」としておのずと教育されていくので、悪気がなくなります。みんなが染まっていき「おかしい」と発言できない空気ができあがっていくわけです。
すでにヘルシーじゃない組織になっているので「おかしい」と声を上げる若者ははじき出されます。
それを見ている周りの社員は、より一層何も言わなくなります。
その②「社員が誇りをもって働けなくなる」
もしお子さんがいたら、ご自分の息子・娘に「ごまかす」ことを教えますか?
まぁ教えないですよねw
こういったことを続けると「正しいこと」を「正々堂々」とやれている感がなくなり、誇りをもって仕事をしなくなる。
会社や上司に対する文句が多くなる。というのは容易に生まれる状況です。(自分自身の目でもこれを見てきましたが、限られた人生、こういった時間の使い方はホント厳しい)
以上の2点。
その年1年の業績についてその場をしのぐことよりも、大事なことだと思いませんか。
テクニカルな面では、変な動きをさせると将来昨年対比がうまくできなくなったり、コスト削減余地があるのかないのかよくわからなくなったり、監査人からきかれてシドロモドロになって抗弁に時間使ったりなどありますが、それらは大きな問題に比べれば些末な問題でしょう。
とにもかくにも経理財務、ファイナンスの方には高邁な精神をもって職務を全うしてほしいです。(自分も含めて)
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