シルクドゥソレイユの破綻に思う、今後のキャッシュマネジメントについて

シルクドゥソレイユが、コロナの影響で破綻したのニュースが出てました。

www.nikkei.com

 

もし自分が、シルクドゥソレイユ(以下シルク)のCFOであり、
半年間も公演ができずに、全く現金収入がない状態になったとしたら
果たしてどう対応したでしょうか。

 

率直なところ、よい方法が思いつかない。。。。

 

ファンドによる資金投入と事業継続支援が報道されましたが、
おそらくCFOはコロナ禍に陥ってから、急ぎ資金調達活動を進めていたのでしょうね。それでようやくこのタイミングでの調達となったが、(日本でいうところの)会社更生法の適用は免れなかった。

公演できないことで、別の方法で資金を得ることを考えなくてはいけないのかも。
短期的にオンライン公演やグッズ販売?とかなのでしょうが、
Innovativeでないと焼石に水でしょう。


グローバルで約4,000名の人件費削減に踏み切っていたわけですが、4000人x年収平均700万円とすると、年間で約280億円、毎月24億円くらいの削減をしてももたなかったのですね。ですが、シルクに関してはコロナ禍前に多額の負債を抱えていたそうなので、そもそもの経営問題だったのかも。


正しいかわかりませんが、「Withコロナ」での今後の事業運営を考えた場合、
以下のようなオプションがありえるかと。
①現金を余分に持つ。(いままでのファイナンスの原則から乖離していきますし、投資が制限されるので、事業成長を阻害しそう)
②固定費を減らす。正社員はいないとか。これどうなんですかね。会社へのロイヤルティなどは無視。
③事業ポートフォリオを分散する。オンラインでできる事業を作っておく。当然ながら本業とシナジーを持ちたいところではありますが・・・


私がいまこういったエンタテイメント企業のCFOであれば、
上記オプション全て見直して財務戦略を練ると思います。
即ち
①ワーキングキャピタルの目標値の見直し。仮に半年Cash-inがゼロになっても耐えうる残高は?
②業務外注化(ついでに自動化)できる業務とそのメリットデメリットとコスト生産性の変化を一覧化して、実行可否を判断。
③これはリスクを言うのがファイナンスの役割で、全社で新たな事業創出が必要ですね。

 

事業の選択と集中と良く言いますが、こういった事態に陥ると一昔前のコングロマリット的な事業多角化によるリスクヘッジも必要なんですかね・・・あまりしっくりきませんが。

 

因みに、USのサイトで、AIでコロナ禍を高い精度で予測している機械学習モデルがあるのですが、日本は当モデルのLower(楽観的)のシナリオでも現在の状態が続く見込みになっていました。長丁場を覚悟して事業や資金繰り運営していかねばなりませんね・・。

covid19-projections.com