人材育成において、誰に、どう時間をかけるべきか ー 選ばれし人の成長にフォーカスする場合

前回書いた全員の底上げを目指すケースに対して、ポテンシャルのある人材の育成にフォーカスする方法もあります。

 

GEが出したフレームワークで、外資系(ITなど先進的な企業は除く)だと未だに使われることが多いであろう9ブロックスで分類して考えたことがあるのですが、このフレームワークを活用する場合、ポテンシャルもあって、貢献度も高い人材を引き上げることにフォーカス。ポテンシャルのない人材には時間を使わない、というシビアな判断になります。

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Traditionalな大手外資系企業では割と一般的と思いますが、この「時間を使うべき人材」は個人別にその経歴をトラッキングしており、その個人(Hypo Talentと呼ぶ)に向けた段階的な業務ローテーションや本社勤務、トレーニングプログラムがあてがわれます。

PotentialもContributionもともにLowな人は首切り対象になります。怖い話ですが首切りプログラムが存在している会社も・・・。

 

Potentialの判断軸は実務的にはHighの人材は将来、今の役職より2段階上のポジションに就けそうか、Midは1段階上のポジションまではいけそう、Lowは昇進の見込みなし、といった考え方をします。主観的な判断が入りますが、自分の時間を誰に使うか?を考えるだけであれば主観的でも何ら問題はないでしょう。

 

Contributionの方が個人的には難しい判断になります。SalesやMarketing、製品開発等々KPIがわかりやすい職種であればよいのですが、ファイナンス部門での貢献を測るのが難しい。例えば「期日通りに決算を締めた」ことをやっている人材の貢献度はHighなのかMidなのか、ルーチンをこなしているだけであればLowなのか、といった悩ましい事態に陥ります。そのためこちらも主観的判断が求められます。私の場合は、自分がつくりたいチーム、成果に対してどの程度の貢献をしているのか、を判断軸としていました。

 

沢山部下がいて取捨選択をせざるを得ない場合、またはハイパフォーマンスなチームを急ぎでつくらなければならない場合には、このモデルをつくってHigh パフォーマーを引き上げ、Low パフォーマーを入れ替える、といった手法があります。私は好きなやりかたではないですが・・。

 

 

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