一緒にいたいと思われるリーダー
読んでみました。
正直なところ、自分にとっては新しい発見はありませんでしたが、
一つ、いいなと思える言葉がありました。
早く行きたいなら一人で行け、遠くへ行きたいならみんなで行け
アフリカの諺と書いてありました。
アフリカのどこ?と出元が気にはなりますが、いい言葉ですね。
大きなフロンティアに向けて冒険をするときに、一人では遠くまで行けない。
広大な大陸を行くときは事実そうでしょうし、
仕事に置き換えて高いVisionやMissionを達成することは
一人ではとてもできません。
そういう意味では人類にとっての冒険は今も一緒だよな、
と思いを巡らせるわけです。
植村直己さんのような類まれなSUPERな冒険家は
一人でも遠くまで行けるのかもしれませんが、それは例外でしょうし。
(もちろん、あこがれはありますが)
本書の内容ですが、全体的にリーダー論やコーチングなどを学んでいる方にとっては
目新しいことは書かれていない本だと思います。
(実際にできているか、はともかく考え方について・・・)
が、
なぜ読者はこれを称賛し、また世の中に広まっていくのでしょうか。
これについて最近考えさせられることがありました。
それは、本書のように「当たり前だよね」と思えるような内容であっても、実際の職場や世の中ではぜんぜん当たり前でもなんでもない、ということです。
そりゃそうだろ、と聞こえてきそうですが、自分が恵まれていたせいか、「人」に対する考え方や「リーダーシップ」の取り方について8割以上の人とは同じ方向を向いて話をすることがこれまでのキャリアでできていたので、「当たり前なことなのに」といった印象を本書に持つのかもしれません。
いま現在、私は複数の企業に関わって働いていますが、この全然「当たり前じゃない」じゃんという状況に直面しています。
例えばですが、本書から引用すると:
「リーダーシップとは争って勝ちとる階級や地位のことではない。リーダーシップとは、仲間のために奉仕することを言う」
とか
「残念なリーダーは誰が正しいかを気にする。よいリーダーは、どの意見が正しいかを気にする」
とか
「スターは、自分がトップになりたいと願う。リーダーは、チームのみんなをスターにさせたいと願う」
とか。
このあたりはマネジメント[エッセンシャル版]に通ずる内容ですね。
なのに「やってること逆じゃん!」というリーダーの場面を垣間見ることが多いです。
やってるだけならまだしも、ディスカッションしていて「考え方」自体も真逆だと、どうしたもんだ、と悩みます。
本書からすれば正に、
グチは禁物。前に進もう!
ですが(笑)
自分が率いているメンバーには、業務経験やスキルの成長だけを促すのではなく、本書のような考え方、すなわち人間性を高めることにつながると思うのですが、人間力をつけていけるような教育も提供していきたいものです。
それが結果、多くの「リーダー」(ここで言うリーダーは役職ではない)を輩出することにつながり、より遠くへ到達できるのだと信じます。
リーダーになってほしい部下にプレゼンとするには最適な本かもしれません。
読みやすいですし、分厚い本をあげるとうざがられるリスクがありますので(笑)