コロナ等リスク発生に備えたファイナンスからの報告・アクションを整理してみた
コロナは収まる気配がありません。私の所属する企業では現時点で大きな影響を受けていませんが、リスク管理の視点で、先立ってアクションを検討してく必要があり検討項目を纏めてマネジメントで議論するための資料を作りました。
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本報告の目的
コロナウィルスにより、事業運営に最悪の状況が起きた場合に備え、資金繰り管理の上で実施できる施策のオプションを検討する。
背景
日本国内のおいても、徐々にコロナウィルスの影響が広がっているが、当社においてはキャッシュインがなくなった場合に備えたプランが現在存在していない。
最悪の事象が起きた場合に迅速に対応できるよう、事前に施策のオプションを準備しておく必要がある。
最悪のケースとして、以下を想定する。
外注先のロジスティックス拠点でクラスターが発生し、商品出荷が年末まで半年月ほど停止する。他社との比較検討をしてきたが、直ぐに代替できる他企業を手配することが困難な状況にある。商品出荷が6か月停止する場合、下記のキャッシュの状況が発生する。即ち、出荷が継続的にできなくなる場合、5か月後には資金不足に陥る。
入金の見込み | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 |
商品出荷 | 〇 | X | X | X | X | X | X | X | 〇 | 〇 |
売上の見込み(翌月入金) | 50 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 70 | 70 |
入金予測 | 40 | 50 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 70 |
出金の見込み | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 |
変動費 | ||||||||||
原価・仕入(翌月払い) | 15 | 15 | 15 | 15 | 0 | 0 | 0 | 0 | 21 | 21 |
広告宣伝費(翌月払い) | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 10 | 10 |
固定費 | ||||||||||
給与(翌月払い) | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 |
家賃(半年前払) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0 | 0 | 0 | 0 |
その他(当月払い) | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 |
出金予測 | 30 | 29 | 19 | 19 | 19 | 10 | 4 | 4 | 14 | 35 |
現預金残高 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 |
月初 | 30 | 40 | 61 | 42 | 23 | 4 | -6 | -10 | -14 | -28 |
月末 | 40 | 61 | 42 | 23 | 4 | -6 | -10 | -14 | -28 | 7 |
提案
リスク発生時に備え下記を実行できるよう準備する。
①保守的にキャッシュ不足に陥る3か月前に借入を行う。(もう開始しないと・・)
②発注済みの仕入れを見直すよう、サプライヤーと交渉する。
③代替的に出荷できる業者をあらためて探す。
④給与カット。
所感
いつまでに意思決定が必要か、それぞれのメリット・デメリットも整理しておくべきですね。正直なところ①~④すべて実行したところで、年単位でロックダウンなどが起きた場合にはサバイバルするのがかなり難しくなってきます。
米国などでは助成金が素早くかつ大規模に進んでいます。この規模の取り組みが実施されないと自助努力では厳しい。海外子会社を持っている場合は、諸外国の助成金の動向も踏まえた連結でのキャッシュマネジメントが必要になりますね。
(参考)