不正のトライアングルのうち2つが揃えば不正は起きると考えておくべき

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自分は大丈夫そんなことやるわけがない、と思いがちですが不正のトライアングルにハマってしまうと、不正に手を染めるリスクは誰にでもあると一般的には言われます。

不正のトライアングルとは、「不正を行う動機」のある人が「不正を行える環境」に置かれ、「自分を正当化する理由」があれば不正が起きる仕組みを説明するモデルであり、マネジメントにも、社員にも当てはまる考え方になります。

 

例えば、赤信号の横断歩道を渡ってしまうケースで考えるとこんな感じです。

「不正を行う動機」・・・今すぐ横断歩道を渡らないと会議に遅れてしまう。

「不正を行える環境」・・・別に誰かに注意されるわけでもない。まわりに警察もいない。

「自分を正当化する理由」・・・みんな赤信号を無視して渡っている。フッ、自分だけじゃないじゃないか。

 

これを、企業内でよくみられる横領の事例で当てはめてみるとこうなります。

「不正を行う動機」・・・賭け事で借金を抱えてしまった。返さないと大変なことになる。ヤバいよマジでやばいよ。

「不正を行える環境」・・・自分の口座に送金しても、誰もチェックしていないから絶対にバレない。もう何年も一人でこの業務やってるもんな。

「自分を正当化する理由」・・・こんなに頑張って会社に貢献しているのだから、少しくらいもらってもいいだろう。サービス残業もしまくってるし。

 

私は実際に社員による不正に直面したことが何度かあります。

勿論、どの会社かは絶対に言えませんが(笑)

 

実際には不正のトライアングルのうちの二つの要素、すなわち「動機」と「環境」さえ揃えば十分に不正は起きます。このうち「動機」については個々人によってさまざまであり、企業体としてコントロールすることはできません。

 

したがって「不正ができない環境」をつくることが、ファイナンスを中心とした管理部門としてやるべき重要なタスクになります。なお、大きな組織になればなるほど、不正がおきない状態をつくることは困難なので、事業のスケールに伴って監査による第3者チェックの重要性が増していきますので、そういった機能をしっかり使い倒したいところです。