発達障害が疑われる部下とどう働くか
こんな記事を読んだので、企業の管理者の視点で思ったことを書きます。
コトの発端は自分の部下について。
複数の他部署からクレームが立て続けに入るようになったから。
別にしゃべりもまぁ普通だし、自分から指示した仕事については、期限を守ってそれなりの(詰めが甘く満足できるレベルではないが)成果物をあげてくるし、そんな困った人でもないと思っていたのですが、同時に上司である私にいくつもクレームが入り、これはおかしいぞ、と。
クレームの内容をよくよく聞いてみると、一言で言うと「空気を読めない」ことに起因しているみたいでした。
例えば
・聞いたことに対して、別のことを返してくる。
・アイスブレークで、と話してるのに、いきなり無駄話やめて仕事の話しませんか、と言いだす。
・契約で定めている内容を無視して、これは問題だ受け入れられないと言い出す。
・グチャグチャなままのエクセルを事情を知らない人に説明せず送りつける。
・個別に事情を説明してきた人に対して、上司をCCしてあなたの責任ですがどうするんですか?といきなりメール返信する。
などなど。
ストレートにモノを言う人はいるよね~と見過ごせるような内容もあるのですが、これがまた日本的な企業文化の会社における出来事なので中々無視できず。
事実、これが理由で他部署からの協力を得づらい状況を招いてしまい・・・
当事者が既に30代半ばで若手というわけでもなく、ここからどう軌道修正するべきか?!いや、むしろこの年齢から変えられるのか?!と悩むことに。
いままで、経理財務部門で、のべ50人ほどの部下を持たせてもらいましたが、ここまでコミュニケーションで問題が起きる人は初めてで、どうしたもんだか悩みました。
過去、自分のチーム内でいじめ、いやがらせなどで揉め事が起きたこともありましたが、むしろそれはメッチャわかりやすい・・・
今回のケースは本人には悪気がなく、「まわりから敬遠されて仕事進まなくなるよ」というフィードバックをしても心から理解できないみたいで、同じようなことを繰り返してしまう。
私は甘いので、預かった部下は全員もれなく成長してもらい、どこでも食べていけるような人材になって欲しい。また、自分の成長を楽しんで稼げるようになってほしい。そう本気で思ってました。要はみんな管理職を目指そう!的な。
(今でもちょっと思ってる・・)
ですが、この部下のケースのことで先の記事を読んだときに、当てはまることが多く、これは実は発達障害なのでは?と思うようになりました。
それは例えば
・こちらの伝えたい内容やニュアンスが、その人にだけ伝わらない。
・社会人としてのマナーの共通認識が他の人たちと異なる。
・職場での雑談に参加しない。
・非効率的でも、指摘されても、自分のルール通りに仕事を進める。
などです。
これだけ読むと、ベンチャー企業の社長とかはみんな基本自閉症なのでは!?と思ったりもしますが(笑)
それにしても、もうそのまんま!という感じなので、おそらくは発達障害なのだろう、と思うに至ったのですが、本人に「そうなの?」と聞くわけにもいきません。
また、私自身は海外に長く滞在していた経験から、ダイバーシティーに関しては自信あり(笑)で、別に発達障害だからと言って偏見も持たないし、人事評価も変わらないし、やってもらう仕事も変わらないし、と考えてました。
ですが、業務の成果が落ちる。。。
これを目の当たりにして、このままではいかんのでは?と真剣に考えさせられました。
誰もが四番バッターにはなれないし、四番である必要もないのでは、と。
俊足巧打が強みの選手にホームランを打て、というのはナンセンスなのではないか、と。
本人も人とのコミュニケーションが多くなる仕事は苦しいのではないか、と。
そこで、現在は少しづつですが、周りの協力を必要としないでも成果の出せるような仕事(企画書づくりや、レポートづくり、リサーチ業務など得意そうなところ)に業務割合を寄せていってみてます。
これが正解かわからないですし、本人のキャリア志向と合うのかも、今後しっかり話していかなければなりませんが、前よりは全体的なストレスの総量は減ったのかな・・・
さて、何が正解なのか。
いや、正解のない問題なのかもしれませんね。
などなど。
「空気」の研究 (文春文庫)は名著ですが、日本企業におけるこの「空気読めよ」感とか「根回し」とか個人的には毛嫌いしています。
ですが、そうは言っても最低限のことをやったり、相手に対する気遣いがないと、仕事がうまくいかないのは目に見えているので、最低限はやらないといけないよね、、、、
などと思いつつ、本人のためにも状況を改善しなければと考え始めたのでした。