我々は「失敗の本質」から学べないのか、コロナ対応に見る共通点はもはや日本人のDNAか・・・(その2)

失敗の本質と現代のコロナ対応の比較。

 

その1からの続き

 

tm999.hatenablog.com

 

 

過去からの学びを、遺産を活かしてほしい。

それは起業運営においても同じですので、どういった過ちが繰り返されているのかを本書の引用から比較していきたいと思います。

 

一点断りを入れておきますが、TVやネットのメディアからの情報からは、あたかも「政府は何もしていない」かのような印象を持つと思いますが、新型コロナウイルス感染症対策推進室(内閣官房)が開示しているデータやガイダンスを見ると、そんなことはないことがわかります。

ですので、比較して批判するというよりは過去から学べることはないのか?というスタンスの記事になります。

 

それにしても、このままオリンピックに突入するのでしょうか。

無謀であった、太平洋戦争への突入のようなことにならないことを祈ります。

 

 

『』内はすべて本書からの引用。

 

目次

 

3.空気の支配

空気の支配『日本軍の戦略は一定の原理や論理に基づくというよりは、多分に情緒や空気が支配する傾向がなきにしもあらずであった。~沖縄作戦の策定にあたって最後まで科学的合理性を主張した八原高級参謀が、日本軍は精神力や駆け引き的運用の効果を過度に重視し、科学的検討に欠けるところが大であると嘆じたのはまさにこのことを指しているのである。~補佐すべき幕僚は、もはや何をいっても無理だというムード(空気)につつまれていった。 ~中略~ 日本軍のエリートには、概念の創造とその操作化できたものはほとんどいなかった。個々の戦闘における「戦機まさに熟せり」「決死任務を遂行し、聖旨に添うべし」。「天佑神助」、「神明の加護」、「能否を超越し国運を賭して断行すべし」などの抽象的かつ空文虚字の作文には、それらの言葉を具体的方法にまで詰めるという方法論がまったく見られない」』
コロナ対策コロナ対策の基本方針については、科学的データとともに説明されることが少ない。2021年ゴールデンウィークについての菅首相の「人流については間違いなく減少している。効果は出始めてきているのではないか」という説明については、何のデータをもとに論じているのか非常にあいまい。GPSなど人流データ解析企業のレポート(下記図参照)によれば、菅首相の解釈を裏付ける科学的データはなく、むしろ逆説的である。また、丸川五輪相の「コロナ禍で分断された人々の間にきずなを取り戻す」や「特別な努力をした人たちの輝きが勇気を与えてくれる。と同時に、私たちが勇気を持って一歩進み、社会の活動を進めていく具体的な後押しになるという思いです」については、具体的中身がなく抽象的かつ空文虚字な状況にある。北海道の緊急事態宣言発出について政府方針が急展開したことを踏まえると、専門家で構成される基本的対処方針分科会は、「もはや何をいっても無駄」という機能不全にはあらず、ここが救いどころのよう。

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4.狭くて進化のない戦略オプション

狭くて進化のない戦略オプション『日本軍の戦略オプションは米軍に比べて相対的に狭くなる傾向にあった~ときとして戦闘における小手先の器用さが、戦術、戦略上の失敗を表出させずにすましてしまうこともあった』
コロナ対策コロナ対策においては短期的にはオプションは自省であり、医療従事者の踏ん張りや国民の清潔習慣という違いが、感染者が海外に比して少ない状態を恐らくは生み出しており、対策上の失敗が感染者増という失敗には見えていない状態に日本はあるといえる。医療体制拡充、検査・ワクチン接種の実施者の拡充、都市部の完全ロックダウン、海外渡航完全禁止など、海外諸国が導入している戦略的オプションは取られておらず、「我慢」「自省」「声がけ」「飲食店の飲酒禁止」など限られた狭い施策を繰り返し行っている現状がある。

 

 2021年6月時点のワクチン接種状況 [出典:日本経済新聞]

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 学びましょう・・・先人から・・・