「財務」の機能がどのように経営に寄与するか

財務には様々な機能がある。経理財務は「金庫番」や「財布」という言われ方をすることがあるが、財務は正にリアルに「金庫番」を担う機能である。

具体的には現金や有価証券などの現金等価物の管理。キャッシュの動きの監視とキャッシュフロー予測、キャッシュフローの改善(入金を早く、支払いを遅く)、そして資本コストを鑑みながらの資金調達業務がある。

PL上の利益が出ていてもお金がなければ会社はつぶれる。企業の大小にもよるがキャッシュフローの予測は倒産や不渡りを避けるためにも絶対に間違いの起きてはいけない機能であり、正確性や誠実性において信頼のおける人物に担わせるべき機能である。取引銀行とも交渉はできるが良好な関係を築く必要があるので、その側面でも誠実性は必要だ。

また、資金調達については「正解」を出すことは中々難しいものの、組織目標を達成するために必要な資金調達方法を吟味して確実に選択できる能力が必要だ。その為には、自社が保有すべき余剰資金のあるべき残高を理解しておく必要があるし、最適な資本構成の実現に向けた金融市場、株式市場、会計知識などの動向の理解や専門知識を身につける必要がある。

特に近年は、「伊藤レポート」や「コーポレートガバナンスコード」の改訂でも明白な通りROEへの関心が高まっている。資金調達は何のため資金であるのか、また、資金調達後に実行する投資リターン及び投資期間との兼ね合いは、など事業を深く理解した上で業務を遂行する必要があるだろう。