経理財務における人材のダイバーシティとそれに応じた人材活用について

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ダイバーシティ」にはさまざまな意味がありますね。

当然ながら「男性」「女性」だけではなく、「国籍」の違いや「年代」の違い、「学歴」の違いなども含まれますが、ここでは「希望する働き方」について考えます。

経理財務部門における「人」の悩みでよく耳にする、また自分も経験してきたのは、「変化」を望まない人材が一定数いる、ということです。これは会社によって異なるとは思います。

例えば、自分の成長や年収を上げたいと考えている、かつ海外経験者が多数いる外資系企業では自分も経験してきましたが、比較的「変化」を望まない人は少ないように思います。望まなくとも「変化」や「成長」していかないと生き残れませんので、必然的にそういった人材構成になっているのかもしれませんが。。

一方で日本企業では趣が異なるように思います。私は上場・非上場何れの会社も経験しましたが、経理や管理部門には比較的、決められたことをしっかりこなすことに強みのある人材が寄っているように思います。

とある企業の方に聞いたことがあるのですが、残念ながらその企業では、営業・マーケティング等のいわゆるフロント的な業務で「ダメだった」人たちの送り先が管理部門になっているとのことでした。

さすがにそこまであからさまな会社もそれほど多くないでしょうが、性格的におとなしい人が多い傾向はあるようです。

しかしながら、経理財務においても常に「変化」はしていかなくてはなりませんし、事業統廃合やリストラなど、いわゆるガッツや体力が求められる仕事も多々あります。

そんな中で、最早避けられないダイバーシティを維持しながら、強い経理財務組織を構築していくにはどうするべきでしょうか。

 

私はこれだけワークライフバランスが叫ばれるようになる前から経理財務領域のチームを持っていましたが、全員に「ガッツや体力が求められる」仕事に従事させること、全員に「成長」を促すことは到底難しいと考えています。 

それは、個人個人が仕事に対して持っている期待値が異なること、またその会社で仕事をしている目的が異なるからです。とても当たり前なことではあるのですが、管理職になりたての頃は、全員のモチベーションを高めることができれば、全員成長したい!と思うはずだ。もっと経験したい!と動くはずだ、と信じていましたが、それは自分勝手な考え方であり、そういったことを求めていない人達も世の中には沢山いるのです。

仮にその人が「成長」を望まないとしても、それがダメである、ということでもないですし、無能ということでもないです。ただ、生き方そのものなので正解・不正解はないと考えるのが良いのかもしれません。

私はそう考えるようになってから(実際、まだあきらめずについコミュニケーションしてしまうこともありますが)、高い成長意欲とガッツのある「攻撃型」と確実に業務を遂行する「守備型」どちらに向いている人材なのか、チームメンバーを自分の中で判別するようにしました。

繰り返しますが、決して「守備型」がダメなわけではありません。根気強く、正確に素早く決算を締める作業は守備的な仕事でですが、その土台ができていることで、初めて「攻撃型」人間が攻めに転じることができるからです。加えて向き不向きだけではなくて、そのタイミングで必要な働き方に応じてその人を「守備型」業務にアサインすることもあります。例えば小さなお子さんがいる働くお母さんや、家族の介護をしている人など、です。誰にでも起こりうることですし、人生のそのステージにおいては、色々な働き方ができることが理想だと思うので。ただしこれは小さな会社で経理財務担当者が数名しかいないような組織だと難しいですが。

 

なお、以前経理財務の機能についてまとめましたが、私が考える「攻撃型」「守備型」それぞれの人材に割り振る(実際難し場合もあるので割り振りたい)機能は以下の通りです。

 

経理財務の機能分類のまとめ

 組織目標を実現に導く機能     管理会計(攻撃型)・IR(攻撃型)

 組織目標への進捗を把握する機能  管理会計(攻撃型)・制度会計(守備型)

 組織の活動の前提を死守する機能  制度会計・税務・財務・内部統制(全部守備型)